俺の愛を、お前に捧げる
マンションの下から上を見上げてみた。


…で、でけえ。

何回あんだよ。


などと思っていると

「送ってくれてありがとうございました」

「お、おう」

そして市之瀬は微笑み「おやすみなさい」と言いながらマンションの中へ入ろうとしていた。


俺はそんな市之瀬の後ろ姿を寂しく見つめていた。



――っと。

「市之瀬!」

俺の声に市之瀬は振り向き立ち止まった。


「次の日曜の午後3時から暇か?」

「はい!」

「ここに迎え行くから、待ってろ」

っと俺は無意識のうちにそう言ってしまっていた。



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