君に歌って欲しい歌

明日になったら


今日も晴天。

お見舞い日和。


「おじいちゃーん、来たよー」
「あーいよ」

昨日、出会った彼の声は、まだ聞こえない。

それが少し寂しい…


「昨日どうやったん??」
「あ…うん、会えたよ。今日も会ってくれるって」
「そか…よかったねぇ」


今日も、あの彼に会える。

なんか、嬉しいなー

名前…翔くん…だっけ?

また、あの声が聞けるんだ。



あたしは、それが待ちきれなくて、ウズウズ時計ばかり気にしていた。

早く会いたい…

「行きたかったら行ってきていいんやで?」
「え!?」

落ち着きないあたしに気づいたのか、おじいちゃんは本に目をやりながら言った。


「今までやりたいこと我慢してきたんやから、それぐらい我慢せんでええよ」
「でも…昨日も帰るの早かったし…」
「おじいちゃんは、へーき」

そう言って、おじいちゃんは優しい笑顔を見せてくれた。


「ありが…と」
「んー」


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