君に歌って欲しい歌




それから、あたしと翔君は長々と、どうでもいい事ばかり話した。

あれが好きだとか、この芸能人はどうだとか。

一番盛り上がったのは、歌の話。

やっぱり、翔君は歌が好きなんだと思った。

たくさん、くだらないことを話していたとき、いつのまにか辺りがオレンジ色になっているのに気がついた。


時間が経つのは早すぎる…



「え?もーこんな時間??」
「早いね…」

会話が楽しくて気づかなかった…


「もー帰る?」
「うん…」

寂しいなーもーお別れなんて…

また、明日も来ていい?って聞いたら、さすがに鬱陶しいかな?

でも、また明日も会いたいし…



「明日も来るよね?」

「!」

翔君から言ってくれた、この嬉しすぎる言葉。

「うん!」


君は気づいてない。

あたしがどんなに嬉しかったかって。


「じゃ、ばいばい」
「ばいばい」


昨日も、言った『ばいばい』

同じ言葉だけど、少し違うのは、

昨日よりも、明日に繋げて行きたいって思ってることだ。


明日も、次の日も、また次の日も、

ずっと繋げて行きたいな…



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