君に歌って欲しい歌
いつもより、少し肌寒いなかを、あたしと翔君は久しぶりに隣で歩く。
翔君は、少しやつれ気味だけど、いつもと変わらないテンション。
あたしはきまずい感じで・・・
ほんと、何なんだろう・・・
「ごめんね?この前はいけなくて・・・」
「うぅん・・・大丈夫。いつでもいける・・し。あの・・・きむ・・」
「?」
どーしよ。
気まずいのはあたしだけだし・・・
木村さんのこと、聞いた方がいい?
「あ、そーいえば。木村さん」
「!」
あたしが言う前に・・・
「だいぶ良くなってきてるんだ」
「そか・・・」
なんか・・・なんだろ・・・コレ。
素直に喜べない。
翔君が木村さんのことを話すだけでも嫌。
あたし・・・独占欲強すぎ?
翔君は最近疲れた顔をしている。
きっと木村さんのことで、いっぱいいっぱいなのかな・・・?