信じてる
☆1
「ただいま」
学校から帰ってきて、物音をたてずにゆっくりと部屋に向かおうとしたが
「椎・・・ちょっときなさい」
父親に見つかり、またいつものが始まる。
「お前は、こんな簡単な問題もできないのか!?」
ほら・・・またこれだ・・・
「だって・・・それ4年生の問題だよ?」
そう。父親が言っている問題とは、小学4年生の問題の算数だった。
私はまだ、小学3年生なのに4年生の問題をやらされていた。