暗闇のスキマから月明かり
愁蔵は、1月が誕生日だったよな。



それまで…俺、生きていたいな…。


そして、自分の口から…祝福の言葉で、アイツを祝いたいな…。


あれから1ヶ月が経ったある日のこと。


【ガタン…ドタドタ…!】


ヤケにせわしない様子で、愁蔵が仕事から帰って来た。


『愁蔵、うるさいぞ』


「あ、ゴメン。…みぃ助、聞いてくれ!俺、彼女が出来た」


嬉しそうに話している表情は、本当にコイツが、心から喜んでる幸せなんだと悟った。


『良かったな〜…』


話によると、愁蔵は同じ仕事場に居る、事務職をやっている女の子に片思いしていたらしい…。


そして、今日…ようやく、勇気を振り絞って告白すると、なんとOKを貰ったと言う。

その女の子も、愁蔵に片思いしていたとのこと。


『なんだ、両思いだったのか〜。だったら、もっと早くに言ってれば良かったのに』


俺は、毒づきながらも、
心の中で、【おめでとう】と言った。
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