暗闇のスキマから月明かり
『バーカ、ワガママ言うなよ…仕方ないだろ。俺は、充分だよ…お前と居て楽しかったぜ』


「みぃ助……」


優しく抱き寄せてくれた、愁蔵の温もり。

『愁蔵…お前、彼女と幸せになれよ…ならなかったら、化けて出てやるからな』


俺は、最後の力を振り絞って、気持ちを伝えた。



【お前に、出会えて…本当に良かった…】



【生まれ変わったら、俺は猫じゃなくて…人間になりたいな……愁蔵、お誕生日おめでとう………】




そう言って、みぃ助は
ゆっくり目を閉じて、息を引き取った。



安心仕切った表情で眠るように、
みぃ助は天国へ旅立った。


「みぃ助……ありがとう。」
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