君に、




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亜姫と昼飯を食べ終わって。

俺は一人、図書館に向かっていた。


図書館は、4舎の一階の一番奥にある。
教室はすべて1舎と2舎、3舎に集められているので。4舎へは、移動教室以外、滅多に行くことがない。

そのせいか。
昼休みの図書館に行く廊下には、誰もいなくて。
気持ち悪いほどに、静かだった。

ふと、誰かが後ろから走って来る音がした。


パタパタと、スリッパと廊下がぶつかる音。



「ナッツー♪」


誰かが後ろから、俺に覆い被さった。
その勢いに、俺は思わず前に転びかける。


「ぉわっ!!!」

「なになに!?図書館行くの!?!?」


俺は、背中に乗っている、その、高い声の持ち主を見た。


長い茶色の巻いた髪。
長いつけまつげ。
小さな唇には、ピンク色のグロスが塗られている。

何より、甘ったるい香水の強いにおいがした。


「リカ」

「ナツ!!ひっさびさ!!」


ようやくリカが背中から降りる。


彼女は降りるやいなや、俺の唇に自分の唇を押し当てた。



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