君に、





「ナツ・・・!!!」

「いや、年上だろ??めっちゃリードしてくれるんだろーな、と」

「アホ!!あんたはデリカシーが欠けてんのよ!!!」


箸を持っていない、亜姫の左手拳が、真っ直ぐと俺の胸を狙った。
予想以上の強い力で。
思わず、口の中の食べ物を吐き出しそうになる。


「ぅぐっ!!!!!」

「女なら見さかえなく手ぇだす、あんたと一緒にすんなっ!!」

「べ・・・別に見さかえがないわけじゃ・・・」

「ないじゃんっ!!女なら、誰でもいいと思ってるでしょ!?」

「あ、つまり。
お前には手ぇ出してないし。
自分で"あたしは女じゃありません"って認めたことになるなっ」


「それとこれとは話が別じゃ、ぼけぇっ!!!」


ハッとした表情で、亜姫が目線を前に移した。
俺も同じように、視線を移す。


黒板の前に立っていた女子グループが、不審そうに俺達を見ていた。



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