君との世界。[短編38P][企画]
「うん、もう自力でなんとなかなりそうだから」
ミューはニッコリと笑った。
俺はミューの額に手を当てる。
「ちょっと、熱なんてないってば!!」
ミューが怒ったように手を払った。
こいつは二十歳にもなって、夢と現実が分からないのか……。
そこも可愛いんだけど。なんて、眺めていると、ミューが怒ったように口を尖せる。
「私、本気だから。年の近い、要くんのこと」
ハッキリと俺の目を見て、そう言った。
まったく何言ってるんだ……。
そう笑おうとしたけど、ミューは俺から一歩下がった。
「だから、流ちゃんの気持ちには応えられないよ」