君との世界。[短編38P][企画]
「え? どういうこと?」
研究室で相変わらず書類に囲まれていた深は、怪訝な顔で俺を見上げた。
俺はミューが行方不明になったこと、パラレルワールドに自力で行けると思ってたっぽいことを説明した。
「まさか、小椋みうはパラレルワールドに行ったのか……?」
深が眉間にシワを寄せている。
「なぁ、お前、ミューになんて言ったんだよ。方法あるなら教えてくれよ。
なんかあるんだろ? 鏡を使うとかさ」
俺は深の白衣の上から腕を掴む。
「だから、方法があるなら苦労しないって。
それに俺は真面目に研究してるんだ。
ゴシップ記事のような行きかたなんて信用していないし、口にもださない」
「なんだよ!! じゃぁどうやってミューのいるパラレルワールドに行けばいいんだよ!!!」
叫ぶ俺に、深が表情を曇らせる。