君との世界。[短編38P][企画]
君に逢えるなら
ミュー……。
夜になって、俺は町一番の高さがある高台に登った。
なんとなく空に近い気がして、なんとなくそれは異世界へ近づける気がしたんだ。
「ミュー……」
座り込んで呟く。
「……ちゃん……」
風に乗って何かが聞こえた。
「ミュー……?」
俺は辺りを見回す。
誰もいない。
でも、ミューの声に聞こえたんだ。