君との世界。[短編38P][企画]
君との世界。
「ミュー」
「本当に……こっちに来てくれるの……?」
"ダメですって!! それがどこか分かってるんですか?"
純一郎の声が頭に響く。
俺はかき消すように頭を振る。
いいんだ、どこでも。
ミューがいるなら。
ミューが俺を求めてくれるなら。
「ミュー、どうやって行けばいい?」
「……そのまま、まっすぐ歩くだけ」
俺の目の前に広がる、夜景。
数歩先にはガードレール。