雪峠
「近藤さん!土方さん!」
一人の青年が、にこやかに少し離れた所に居る二人の背中へと駆け寄った。
「総司!よく参った!」
「だが、ちぃっと来んのが早過ぎなんじゃねぇか?」
その二人は、青年の方へと振り返る。
「これでも私、頑張ったんですよ?」
眉間に皺を寄せる人物に向かって、おどけた様に言ってみせる青年に、目尻を下げて笑うもう一人の人物。
「まぁ、いいではないか!なぁ、総司」
「はい!」
「ったく、しょうがねぇ奴らだな…」
近藤が沖田を庇えば、土方は呆れる様に笑った。
「では参ろうか!向こうで待っている仲間達の元へ」
近藤の言葉に、笑顔で頷く。
そうして三人の姿は、光りの中へと消えて行った。
(これからはもう、ずっと一緒なのですね…)
沖田の呟きと共に。
END