雪峠
そんな沖田に、胸の中がえぐられる様な感覚に襲われた。
「すまねぇな、総司…」
(近藤さんは、もう…)
この世には居ねぇんだ…と言う言葉を飲み込む。
もし此処で、事実を…総司の生きる希望が消えたしたと知れば、必ずコイツは、自らの手で命を絶つだろうと考えた、土方のせめてもの気遣いだった。
「何で、土方さんが謝るんですか?」
「いや、何でもねぇよ…じゃあ、俺はもう行くとするか」
そろりと立ち上がると、沖田の方に振り返る。