Love is over
俺は頭を掻きながら正直に言った。これくらいで嘘ついても意味ないし。…いや、くどいけど早く帰りたいから。



「えー…遅刻したからっスよね?」


『当たり前だろ!』と言われ、頭を叩かれる。

「いってえ~!」


ホント今日だけで何回叩かれたんだよ…。


「それと、ワックス。マセガキが!」

「………」



今時皆やってるだろ!って言おうかと思ったら、言ったらきっと長引くだろーなぁー。

我慢だ、俺!



「ほんじゃ俺、帰ります」


『じゃーな彰』

と、いい俺は教室を後にした。

彰も『おぉ』と返事。



…普通通りなのに、考えてしまう。



ホントに俺が彰の親友ってやつなら普通、帰らないよな。

帰らないで彰を待つ。

彰も『待ってて』くらい言うはず。



お互いそれをしない。



やっぱ俺ら親友じゃねえかも。…かもじゃなくて、そうだよな。



友情って何だ?



…まぁ…いいや。

なんか今は何に対しても『まぁいいや』で済んでしまいそうな勢い。





でもここで帰ってしまったのが、最初の間違えだった。



俺はスタートラインからつまづいた。





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