恋色物語
「じゃぁ、今日は付き合ってくれてありがとう~!!また、遊ぼうね!!そんじゃっ、また明日学校で!」
「うん、また明日!!おやすみ、美奈」
ふぅ、やっと終わった。
気使うのとか少し面倒だし、正直疲れる。
早く家に帰って、寝たい。
そんな事を考えながら、駅に立っていた。
「まもなく、2番線の電車が発車いたします・・・」
「やばいっ、早く乗らないと!!」
と、急いで乗ろうとした時、扉が閉まりだした。
________グイッ
扉に当たる。
そう思っていたが、気が付いたら電車の中に居て、窓から駅のホームが見えた。
「あ、あれ・・・」
「はぁ~・・・まったく、危ないだろ・・・っ」
目の前には、男の人が居る。
同い年・・・位だろうか?
にしては、爽やか過ぎ、やんちゃなルックス。
けれど、意外と身長が高く、大人びても見える。
鼻も高いし、目も結構大きい。
睫も長いし・・・綺麗な肌。
これが、整っている顔って言うのかなあ。
「・・・って、ちょっと聞いてる??」
「あえっ!?」
「あえっ・・って何だし!!」
と、少し笑ってみせる彼。
あ、やっぱり、綺麗な顔している。
「まあ、とりあえず、次からは気をつけた方が良いと思うよ。扉に頭ぶつけたら、痛いし危ないからね。ま、俺はたまにやるけどなっ!!あの時は吃驚したな~、さすがに。頭から血が垂れてるんだもん。驚いたよ!!てかさ、俺最近ついてないって言うか。なんていうか・・・って!!俺何マシンガントークしてるんだ!!ごめん、つい!!」
「あ、うん・・・」
顔は整っているけど、やっぱりやんちゃな感じがするなあ。
「あ、俺ここだから。じゃあ!!」
と、気が付いたら彼は電車から降りていて、電車に乗ってから3駅も過ぎていた。
「あ、後1駅じゃん・・・てか、お礼言えてない・・・」
一体誰だったんだろう。
とても不思議で、変な人だったな。
まあ、悪い人じゃないんだろうけど。
まさか、またこの男に会う事になるとは、私は全然思っていなくて。
しかも、意外とすぐその機会が訪れる事にも、私はまったく気づいていなかった。