恋色物語
「膨れてもダメだぞー、どうして遅刻した。お前、見ない顔だな、新入生か??」

「そうなんです。ちょっと、迷っちゃって・・・最近引っ越してきたばっかりだったから、迷ってしまったんです。ごめんなさい」

気づくと彼は、真剣な顔をして先生に謝っている。


そうか、新入生だったんだ。

だから、見たことが無かったわけだ。



「まあ、仕方が無いか。次からは、遅刻すんなよ」


「はい、すみませんでした。」

と彼が言うと、先生は去っていった。



先生が私達に背を向けると、彼はこっそり笑顔で私にピースサインを送ってきた。

まったく、ずる賢い男の子だ。
けど、この人のおかげで遅れなくて済んだ訳だし・・・

と、一応ピースサインを仕返すと

彼はさっきよりも笑顔で笑い「イエーイ」とハイタッチをして来た。


なんか、本当に爽やかでやんちゃな人。



「キーンコーンカーンコーン」



「あ、チャイムだ。じゃ、またどこかで!!」
と、どこかへ行ってしまった。


本当に、風のような人だなあ・・

って、私も早く教室に行かないと。


そうして、教室に行くと思った通り誰も居なかった。


「やっぱり、皆体育館に行っちゃったかぁ・・・」

仕方が無いから、体育館に行くしかないか。


そうして教室に出ようとした時、思きり誰かにぶつかった。

「いでっ!!」


「ご、ごめん!!大丈夫!?」

顔を見上げると、また先ほどの美形爽やかズル賢い男の顔があった。


「あ、君・・・さっきの!!ちょうど良かったあ~!!さっき、教室に行ったんだけど、誰も居なくてさあ!!どうしようって思ってたんだ!!よかったあ、君が居て~~!!」

と、とても嬉しそうな顔をしている。

またまた、そんな顔されても・・・






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