恋色物語
 

「じゃ、一緒に行く・・・?」

まるで、そう言ってくれるのをまってた様に


「いいの!?あっりがとー!!!」

と王子様のような笑顔で答える。


後で、彼を目にする女子達は、一瞬で惚れちゃうんだろうな。


そんな事を考えながら、体育館まで一緒に行った。


2人で体育館の中をチラっと見ると、もう既に殆どの生徒と生徒が集まっていて、入れる空気では無かった。


「これじゃ、入れな・・・」

そう言いかけた時

「じゃ、行こうか」

と、手を掴まれて中に入った。


「やばいって!!見つかっちゃうでしょっ」


「大丈夫だって、付いて来て!」

とあっという間に2-Aの列まで来た。


そして


「ほらねっ」

と、爽やかだけどどこか誇らしげな顔で私を見てきた。



「う、うん・・・。あ、ありが・・・」

と、お礼を言おうとした時


「あかり~!!」

と、美奈が駆け寄ってきた。


「美奈!」


「もう~、朝あかり居なかったから、吃驚したよ~」


「ごめんごめん、ちょっと電車乗り過ごしちゃって・・・あ、てか・・・」


と、さっきの爽やか男の方を見ると、もう居なくなってた。


「あ、あれ・・・」


・・・幽霊??



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