【短編】吾が輩は、
初めて顔を合わせたのは、委員会の顔合わせの時だった。



一番乗りに集まり場所に到着していた完璧な恭也は、教室の後ろのドア付近でうずくまるようにして本を読んでいた。



しかし、運悪くそのドアから入ってきた嶌子に蹴飛ばされてしまったのだ。



そして、また運が悪いことにその時嶌子は最高に機嫌が悪かった。



「痛い。」



恭也は不機嫌さを露わにしつつ、しかし冷静に、そして当たり前に抗議した。



しかし、嶌子は



「邪魔。」



と、ぴしゃりとあしらい。



それが、出会いだった。



今考えると、確かになんと常識のないことか。



仮にも、密かにどころか目に見えてみんなのクールなツンツン王子だった恭也にあろうことか暴言を吐くなんて。



えらく度胸もあったものだ。



そして、よくその時、恭也も黙っていたことだ。



普通の状態の恭也なら何か一言二言、あてこすってきそうな…。





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