カウントダウン
『おはよ〜』
教室に入る時、誰にともなく挨拶をする。
返事は期待していない。
僕の存在に気付いてもらいたい。
それだけでいいんだ。
「空おはよ!」
声のしたほうを見る。
颯太が手をあげ近付いてくる。
『颯太、早いんだな』
遅刻ギリギリで教室に駆け込んでくるタイプだと思っていた。
「何や?意外そうに」
『いや、遅刻常習犯じゃねぇの?』
「ヒドッ!空優しそうな顔して毒舌やん。凹むわぁ」
『えっ!?ごめん。そんなつもりじゃないんだよ』
「まぁええよ。大体遅刻やしな」
『なんだよ』
そんな話をしていると朋と君が僕達に話し掛けてきたんだ。
「秋、おはよ〜」
『おー、朋おはよ』
「楽しそうね。空のあんな笑顔椿と居る時以外で初めて見たよ」
『そうかぁ?』
「それより初めてなんだから紹介してよ?私も紹介したげるから♪」
颯太をチラ見してから怪しい笑みを浮かべ俺を見る。
最後に小声で椿に聞いたと耳打ちされた。