さ く ら


この時代は進んでるなぁ、
と思うけど、そりゃそうよね、

三百年も先なんだから。



でも、三百年もあれば、
もっと変わらないものかなぁ、


とも思いつつ401を探す。


あった。一番はじっこの401!


鍵をドアにさそうとしたけど
……あれ、鍵穴がないぞ?


ドア一面、なめるように見るけど
ない、ないぞ?あれ?


このままじゃ、部屋入れないじゃん。
玄関の前であたふた暴れてると


「ポストの横、あるじゃん、鍵穴」


後ろから声がきこえて振り向くと
若い男の人がしかめっ面で教えてくれた



ばかじゃねえの?って思うかもだけど、
理由があるのよ、わからないのには!
だから、そんな顔しないでわらってよ!


とも言えず……


「ありがとう……ございます。」


ひきつりながら苦笑いして
ポストの横の鍵穴に鍵をさそうとした



けど、鍵穴……なくない?
未来の鍵穴は透明なのか?
防犯のため?家主以外には見せない
的な感じなの?ねえ、



またもやあたふたしてると
いきなり持ってた鍵を奪われた


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