さ く ら


私より年上っぽい人で
おもいっきり顔から地面に転けた


「あ、大丈夫ですけど……
顔……大丈夫ですか……?」


いててて、と言いながら
男の人は立ち上がった


「いや、本当に申し訳ないです。
今少し人に追われていて……
逃げ回っていた所なんですよ!」


といって私に手をさしのべた

そういえば私、まだ座ってた

手をとって起き上がった丁度その時


「あ!!いました!あっちです!」


曲がり角から二、三にんのおじさん達が
こっちを指差している


「まずい、見つかった!!!」


男の人は私の手を取ったまま
走り出してしまった




「え、ちょっと!離してよぉ~~~!!」


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