憧れの恋 ―私はあなたが必要です―
出会い
恋愛ができない。
こんな悩みを抱える私にひとつの転機が訪れた。
春。
高校生として家をでた2日目の朝。
桜が咲く川沿いを自転車で進んでいくと私、桃谷野乃香が通う学校がある。
水町高校と書いてある校門をくぐると、
上の方から声がした。
間延びした声がふってくる。
「野〜乃〜香〜!」
「日和!っ危ないよ!」
茶髪でくるくるした長い猫っ毛をたらして、
能天気に私を見下ろしている女の子。
彼女は山下日和。
中学の時、テニス部の試合で対戦して以来すごく仲がいいの!