憧れの恋 ―私はあなたが必要です―
自分の教室の前に戻ると誰かが外を見てる。
あんなきれいな男の子うちのクラスにいたんだな。
私がそんなことを考えるくらい、整った顔立ちをしてる。
廊下の窓際にたっている男の子は、ゆっくりとこっちを向いた。
黒い髪とはっきりした目鼻立ち。
なんだか光をまとってるような不思議な男の子。
・・・名前、何て言うのかな。
でも、なんでこっちを見てるの?
私、なにか変?
・・・気まずいな。
私もこれから懇談なのに・・・。
そうは思っても、
私の視線は、男の子から離れてくれない。
窓から暖かい風が入ってきた。
風が、まだ冷える4月の廊下を暖めてくれる。
ふと男の子を見ると、黒い髪が風になびいてる。
窓から差し込んだ光で男の子のまわりがキラキラしてる。
ほんとにきれいだな。
・・・見とれちゃうよ。