ねむねむおーじ<番外>
「ハァハァ」
勢い良く飛び出したのはいいけど
もしかしなくても、あの状況で水原君をあそこに置いとくのは大ピンチなんじゃないの…?
「やば」
冷静になった頭で考えた結果。
私はクルリと方向転換した。
すると
「あ……」
『琥珀』
「水…原君」
目の前に立っているのは紛れもなく水原君で。
『大丈夫?』
水原君は近づいて私の頭をポンポンと撫でた。
ホッとする。
大きな手。
「水原君こそ…。ごめんね、大丈夫?」
私は水原君の頬に触れる。
『だーい丈夫』
そのまま私の手を握り、目を閉じたまま手に唇で触れる。
『俺は、琥珀が大好きだ』
目を開いて私を真っ直ぐ見つめる。
『だから、隠すのなんて嫌だ。
それとも……2人で駆け落ちでもする?』
首を傾げて笑顔で言う水原君は、本心で言ってるんじゃないってことが分かる。