ねむねむおーじ<番外>



認めて欲しいから好きになるとかじゃない。


「ごめんね、お父さん。
大嫌いなんて嘘だよ?ちゃんと………好きだよ」



流石に照れるな。
お父さんにこんなこと言ったの初めてかもしれない。




でも



『本当か…?琥珀?』



「うん」



こんな笑顔が見られるならそれも悪くない。




『琥珀大好きだー!!』


「ちょっ!抱きつかないでよっっ!」



頬に涙の後を光らせながら私に抱きつくお父さん。









『はい、ストップです。お父さん?』


なのに急にその暑苦しさはなくなって。

涼しい声が後ろから聞こえた。




「水原君…」


『認めて下さったんですよね?

僕らがこうゆう関係だってこと』

「ぅわ!」




私はクルリと体の向きを変えられて。

一瞬水原君の顔面ドアップが目に飛び込んだ。





『なっ!』


聞こえるのはお父さんの驚いた声。



『これからもよろしくお願いします。
おとーさんっ』


次に聞こえたのは水原君の余裕の声で。



『親の前でキスするとはどうゆうことだー!!
俺が許すのは清い交際だー!!!!』




でもまた聞こえたお父さんの声は、あまり聞こえなくて。


代わりに私の頭には、意地悪く笑う水原君の笑顔だけが焼き付いた。




< 14 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop