ねむねむおーじ<番外>
認めて欲しいから好きになるとかじゃない。
「ごめんね、お父さん。
大嫌いなんて嘘だよ?ちゃんと………好きだよ」
流石に照れるな。
お父さんにこんなこと言ったの初めてかもしれない。
でも
『本当か…?琥珀?』
「うん」
こんな笑顔が見られるならそれも悪くない。
『琥珀大好きだー!!』
「ちょっ!抱きつかないでよっっ!」
頬に涙の後を光らせながら私に抱きつくお父さん。
『はい、ストップです。お父さん?』
なのに急にその暑苦しさはなくなって。
涼しい声が後ろから聞こえた。
「水原君…」
『認めて下さったんですよね?
僕らがこうゆう関係だってこと』
「ぅわ!」
私はクルリと体の向きを変えられて。
一瞬水原君の顔面ドアップが目に飛び込んだ。
『なっ!』
聞こえるのはお父さんの驚いた声。
『これからもよろしくお願いします。
おとーさんっ』
次に聞こえたのは水原君の余裕の声で。
『親の前でキスするとはどうゆうことだー!!
俺が許すのは清い交際だー!!!!』
でもまた聞こえたお父さんの声は、あまり聞こえなくて。
代わりに私の頭には、意地悪く笑う水原君の笑顔だけが焼き付いた。