Kissより甘く…
本当なら今すぐにでも
あの場に行って言ってやりたい。


「俺の稚空なんだけど?」

そう言って稚空を
俺の後ろに納めたい…。

けど俺の立場は全く違う。
だって俺とあいつの関係は…

幼馴染だから──

そんな言葉を発せるほど
俺の存在は稚空の中では
大きくないはずだ。


「琢矢、戻ろうぜ」

「いいのか?稚空ちゃん」

「どうでもいいよ」

学食を出て教室に戻るが、
気持ちが晴れるはずもなく。


「わりぃ、ちょっと抜けるわ」


琢矢に一言告げると
俺はある場所へ向かった。

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