Kissより甘く…
教室前につき、
相良さんにさよならを
告げようとした時、
目の前にあいつの姿が見えた。


「また話そうね!相良くん」

そう言って去ろうとした
相良さんの腕を優しく掴み、
俺は相良さんの目を見た。


「相良…くん?」

「海蒔…」

稚空と相良さんの言葉が重なった。


キョトンとしてる相良さん、
目を見開いている稚空…
俺はどっちに話しかけるべき?

…相良さんだよな。
腕掴んじゃったし。


「明日も会えるかな?」

「──え?」

「あの場所で」

「…うん!待ってる」

そう返事を返してくれた
相良さんの腕を放した。
そして稚空に視線を移す。

俺って幼稚すぎる。
稚空に嫉妬してほしくて
相良さんを止めて…。


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