Kissより甘く…
「ち、稚空」

「何…今の」

「……。」

「あの場所、って?」


涙目で俺を見る稚空が
愛しくて…恋しくて…
だけど幼馴染の俺等なんだ。
全部が全部言う必要なんてない。


「稚空には関係ないだろ?」

「…酷い…海蒔…」

「稚空?俺等は幼馴染なんだ」

「だから何!?」

「稚空に言えないこともある」

「あたしはないもん…っ!」

「俺にはあるんだよ」


ごめん稚空…。
こんなこと言うはずじゃ。
だけど学食での光景が浮かんで
苛立ってる俺がいるんだ。
稚空は何も悪くないんだよ。


俺はその後言葉を失い
その場に稚空を残し、
教室に逃げ込んだ。



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