Kissより甘く…
だけど…すぐに眉を引きつり
彼女は俺の胸を叩く。
本気なのか緩めているのか…
それほど彼女の力は弱い。


「今、何時?」

「8時だよ!」

「寝過ごした…」


急いでベッドから起き
着慣れた制服に腕を通す。

空っぽなバッグを持ち
再び彼女に視線を戻すと…

「寝癖ついてるよ?」

と笑って俺の髪を触る。


「あたしがしてあげる!ワックスは?」

「あぁ…机の上」

「じゃ座って、座って」


ベッド前に腰を下ろし
すぐ後ろに感じる気配に
俺の鼓動は高鳴り始める。


そう…俺はこいつが好きだ。



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