Kissより甘く…
初めて海蒔に彼女が出来た。

凄く悲しい半分
嫉妬と悔しさを覚えた。

その子と別れた、
って聞いた時は
かげで喜んでたっけ…。


それで決めたんだ。
海蒔が惚れるような
可愛くて優しい子になる!って。

中学に上がったあたしは
海蒔のためだけに印象を変えた。
化粧も頑張って覚えて、
服だってガラリと変えた。
制服の着こなし方だって
雑誌をたくさん見て着てた。


それなのに海蒔は
一切振り向いてくれず、
妹のように接してきた。
それが嫌で…何度泣いたかな。


こんなに変わったのに
海蒔はあたしを置いていく…。
自分だけ大人になって。
高校生になった海蒔は
髪色を変えてもっとかっこよくなった。

だから…どれだけ憎んだだろう。
この1歳しか変わらない年齢を。
海蒔と同じ年齢なら
少しでも近づける…
そう思って今日まで生きてきた。

1歳…は大きすぎた。



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