Kissより甘く…
放課後―――

1人で下校する中
なんとなく目にした公園にその姿があった。

「稚空…?」


1人ベンチに座る小さな姿…
あの後ろ姿は確実に稚空だ。

喧嘩していることも忘れ
迷うことなく公園に足を踏み入れた。


どこか元気のない稚空。
きっと俺のせい?
それとも俺のこととかどうでもいい?

なぁ、稚空…
振り向いてくれよ。

そんなことを思いながら
俺は稚空の名前を久々に声にした。


『稚空?』

…ん?
今俺以外にも稚空の名前呼んだ…?

ふと声がしたほうを振り向くと
そこには例の男が立っていた。





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