☆男目線☆ 【完】
ジャケットを下に脱ぎ捨て、木によじ登る。


普段の竜也からは想定できない行動だ。


時計台より高い所まで登ると、竜也は時計の中心を見る。




竜「あった………。」


竜也がポツリと言葉を零すと、細い木の枝を折り、木で小さな宝箱を突く。


カコンッ


小さな宝箱は下に落ち、私は時計台の下へ走る。


宝箱を拾い、それを開けるとハートの鍵のネックレスが。


嬉しくて思わず笑みが零れる。


竜也はいつの間にか下に降りてきて、私の隣にいる。


竜也フッと微笑すると、私の頭を優しく撫でた。


『竜也…ありがと……。』


「ん……。」


私が竜也にお礼を言うと、竜也は短く答え、ジャケットに付いた土埃を払い、それを羽織った。


イベントが終わるまであと5分の事。


私はハートのネックレスを首に付け、体育館へ急いだ。






――――…
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