☆男目線☆ 【完】
「だから、これからは責めてくから!!」


紅輝さんは拳を上にあげた。


そう言って明るく振る舞う紅輝さんの手は…僅かに震えていた…。


「俺諦めないからッ」


紅輝さんは前を向くと大股で前進しだした。


私は紅輝さんの背中を小走りしながら追いかける。


わざと歩幅は合わせず、半歩後ろに下がって歩く。


紅輝さんの大きな背中は、今日は小さく感じる。


その背中に触れたら壊れてしまうんじゃないかと思うくらい儚くて、私は伸ばした手をゆっくり下げる。






紅輝さん…
こんな私を好きになってくれてありがとう。


想いに応えられなくてごめんね。
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