☆男目線☆ 【完】
『え……。』


隼人は瑠羽の目元から手を下ろすと、目元にふんわりとまたキスをした。


『あぅ…。』


瑠羽はキスと同時に目を閉じたからか、キスされてない方だけ目から雫が頬を伝った。


それを隼人はペロッと舐め、さっきと反対側の目元にキスを落とした。


「泣かすつもりじゃなかったんだけどな…。」


隼人は切なげに瑠羽を見つめた後、ギュッと瑠羽を自分の胸に包みこむように抱きしめた。


隼人の甘く渋い香りが鼻孔を掠める。


「…瑠羽…好きだ……
俺じゃ駄目か……?」


耳元で声を震わせながらポツリポツリと呟く隼人は、いつもの強気で俺様な態度の隼人は何処にもいない。


『俺に対して気持ちが無いのは分かる…だけど、少しずつで良いから俺の事を見てくれないか…?


絶対大切にする!!』


切なげに想いを口にする隼人に心が揺れ動く……。


鈍感な瑠羽でも、こんな状態の隼人に“好き”と言われたら、恋愛の意味だと気付く。
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