☆男目線☆ 【完】
しばらく睨み合いが続いた。


こんなことしたいわけじゃないのに。


隼「逃げてる奴なんかに瑠羽を渡すつもりはない…。」


隼人はそう言うと俺を睨みながら鞄をもって教室を出ていった。




竜「……。」


隼人は本気だ。


俺は嫉妬で瑠羽に対して冷たい態度をとってしまった。
それが隼人にとっては怖じけづいて出た態度だと思ったんだろう。
俺はどうすればいいんだ……。


瑠羽が好きだ。


でも隼人も大事だ。


俺は溜め息を吐きながら帰る準備をし、鞄をもって教室を出た。




外は大降りで、昼の青空が嘘のように灰色の雲で覆われていた。


俺は鞄を頭に乗せ全速力で走って帰った。




―ガチャ


上から下までびしょ濡れで寒い……。


さっさと風呂入ろ……。


俺は靴を脱ぎ、濡れた靴下を脱いでから家に上がった。
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