ダメな僕のレクイエム
アクシデント
声に振り替えると20代前半くらいの男性が二人笑顔で近づいてきた

「はい…?」

「きみ可愛いねぇ、目についたよ。一人?」

怪訝そうなちかをよそに彼らは話しながらやって来た。

「一人ですけど…」

「そう、良かったら俺らとお茶でもどうよ?奢るし」

(え!?ナンパ?)

「あの…」

「いいじゃん!行こうや。な、な、ほらそこの店行こうや」

言いながら髪の茶色い背の高い方の男がちかの手を引っ張った。


「えっ?ちょ…!」

「きみ大学生?大人っぽいよね!」


やや背の低い髪の長い男が言った

(え?大人っぽい?)

ちかはその言葉に反応してしまった。

そうこうしてるうちにちかは二人に連れられてコーヒーショップに入ってしまった。


二人は店に入るとちかを挟んでイスに腰掛け、髪の長い方がちかの飲み物を聞くと素早くカウンターに行って、自分たちのを含め飲み物を3つ持ってきた。

「飲みなよ」

二人は身を乗りだして、いかにも な感じの軽いノリで話をしだした。

「君可愛いねぇ!スタイルいいし」

「いや、そんな…」

「ボン キュっ ボン!じゃん!」

「え…ありがと」

「大人っぽいよね 大学生?」

「え いや…」

「マジに!?高校!?ちょ~色っぽくね?」


そんな感じで相手の会話のペースに乗せられながら、たくさん誉めてもらい ちかは少し嬉しくなって来ていた。

普段ならそんな事はないのに、今日のちかは

(私もまんざらじゃないんだ?)

と思うと嬉しくて仕方がなかった。


会話も弾み暫くして

「そろそろ出ようか?」

と言われ

「あ はい、ごちそうさまでした」

と答えて店を出た。
夕方になっていた、高校生たちも下校を始めている

店を出るとすぐに金髪の男の方が

「も少し付き合ってよ、ドライブしようや」

と言ってきた。


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