ダメな僕のレクイエム

ちかは校門を出て、足元を見つめながらとぼとぼと歩いた…
（ぁあ～あ、今日はツイてない）

麻里からのメモを神谷に見つかったちかは、注意され、教科書を朗読させられた…
しかしながら残念なことにちかは英語が得意ではない上に予習もしておらず、皆の前でいい恥を書いてしまった…


普段なら別に何ともない事だったが、今日は何故か凄く恥ずかしくかった…

（あああ!!!イライラするぅ!!!）

「神谷のバカ!｣

ちかはそう言ってみた。

「誰がバカだって？｣
その声に「ヒっ｣と叫びを上げながらちかは振り向いた。
そこには神谷が立っていた。

「!？ 先生 いたんですか！？｣

「少しまえからな？で、誰がバカなんだよ？｣

「ぁ… いやあ…｣

「てか お前、英語。かなり苦手だな？｣

「はぁ…まぁ…｣

「まぁ…じゃないよ！あれじゃ受験大変だぞ｣

ちかは何故かその言葉に必要以上にカチンときた。

「分かってますよ!もう!ほっといて下さい!｣

そう言い捨てるとちかは走り出した。

「あっ!おい!｣

神谷が呼び止めようとしたが、ちかは走り去ってしまった。


ちかは暫く走ると後ろを振り返り、神谷が追ってきてないのを確認した。
急に全力で走ったせいだろうか、胸がドキドキしている。ちかは前屈みになり膝に手をついて呼吸を整えると

「あ～！！｣
と叫んで空を見上げた。真っ白なまだ夏の雲が真っ青な空と対照的だった。