月の天使【短編】
月が再び顔を出し始めた
再び月明かりが、二人を包む
「…あのさ、ゆいちゃんの事、僕は好きだから」
「…淳くんって、本当に良い人だね」
そう言うと、彼女は僕から離れて再び手すりにもたれかかった
「……あのね…淳くんにしか頼めない…優子さんには頼めない、お願いがあるんだけれど…頼まれてくれるかな?」

その彼女の願いというのは、僕には非常に辛い願いだった

しかし、彼女が悲しむ顔を見たくなかったから僕は引き受けてしまった
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