【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
それから二人で帰る間も
なんだか変な視線を感じた。
改札で湊太くんと別れて、
バスに乗り、
家に入ろうとしたところで、
肩を叩かれた。
びっくりして振り向くと、
レストランで私を見ていたうちのひとりだった。
黒いス−ツで…お父さんぐらいの歳の人。
「お名前は?」
「龍ケ平…香澄ですけど」
男の人は家を見上げた。
「ここがご自宅ですか?」
「……はい」
なんだろう………
「湊太様とは、どのようなご関係ですか?」
湊太……さま???
「彼女…ですけど…」
男の人は一瞬眉間にシワを寄せた。
「失礼しました」
そして、歩いて行ってしまった。
なんだ……ろう……