【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
+++湊太side+++
朝、学校へ行こうとマンションを出たら、
会いたくないやつが立っていた。
執事の前野だ。
小さい頃は懐いていたけど、
家を出てからは会ってなかった。
「なんだよ。珍しいな」
前野は頭を下げた。
「お父様がお呼びです。
お車をご用意しておりますので、お乗り下さい」
やだね。
誰が乗るか。
俺は無視して歩き出した。
「龍ケ平香澄様の事を調べさせていただきました。
そのことで、お話が」
香澄のこと………
「お前、何したんだよ!
なんで香澄の事知ってんだよ!」
俺は前野に詰め寄った。
「レストランの従業員から連絡が入りましたので。
【湊太様が真剣に交際している方を連れてくる】と。
今までは…お遊びだと目をつぶって参りましたが、
真剣となると、
大事な後継者様ですから」