【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
+++香澄side+++
校長先生は眼鏡を上げた。
「香澄さん。
あなた、私に隠していることはありませんか?」
あ…やっぱり……
「はい。あります」
校長先生は深いため息をついた。
「お相手の彼が、この学校も大変お世話になっている【−sakamoto−】グループの御曹司と知っての事ですか?」
坂本……グループ…?
あの…大企業の???
………えっ!!!!!
湊太くんが!!!!!
「知りません…でした…」
うそ………
何も…言わなかったじゃない…
「社長直々にお電話がありました。
今すぐに別れさせるようにと。
香澄さんのお家の事、
調べたそうよ。
香澄さんのお父さん、
【−sakamoto−】グループの子会社のアルバイトだそうね。
立場的に、お父さんにとってもよくないわ。
おつらいだろうけど、
香澄さんのためよ。
相手が悪すぎたわ。
別れなさい」