【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢





トントン



校長室のドアがノックされた。



風紀の先生がドアを開けて、


お父さんが入ってきた。




お父さんは入るなりすぐに土下座をした。





「申し訳ありませんでした。




校長先生に大変お世話になっておきながらこんな…



本当に申し訳ありませんでした。




別れさせますので、


どうか退学は………



ピアノを続けさせてやりたいんです。



お願いします!」






お父さん………





私は床にへたりこんだ。





「香澄さん、お父さんの気持ちも考えなさい。



まだ、お付き合いしてから日も浅いそうじゃない。


今すぐ別れれば、すぐに忘れるわ。


わかったわね。




私の立場も考えてちょうだい。

この学校にとっても、大切な企業なのよ」







………そんな………









「香澄、家に帰ってゆっくり話し合おう。



すみません、今日はこのまま早退させていただきます。





ちゃんと説得しますので。



本当に申し訳ありませんでした」






お父さんは床におでこをつけて、

何度も謝っていた。




その姿が、お母さんのお葬式の時に


お母さんの両親に土下座している姿と被って



涙が出た。






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