【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
+++湊太side+++
久しぶりに親父に会った。
でかいビルの最上階。
窓から海が見えた。
「湊太、久しぶりだな。元気か?」
偉そうにでかいソファーに座ってやがる。
「なんの用だよ」
「まあ…座れ」
俺は親父の向かいにある、これまたでかいソファーに座った。
「彼女ができたそうじゃないか。
R女子大付属高校のピアノ科の」
すげ−くわしく知ってんな。きもっ!!!
「だからなんだよ」
「R女子大って聞いたからそれなりにその…
育ちの良いお嬢さんかと思ったら…違うじゃないか」
………ちがう?
「どういう意味だよ」
「特別推薦の子じゃないか。
父親と二人暮らしで。母親は自殺している。
しかも父親はうちの会社の子会社の…アルバイトじゃないか。
そんな女と、お前を交際させる訳にはいかない。
体裁ってものがあるだろ?
別れなさい。
女なんて、まだ必要じゃない。
なんでよりによってまたそんな女に本気になった。
頭を冷やせ」