【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
【後10分ぐらいで着く
あの柱で待ってる 湊太】
湊太くんからのメール
すぐに家を飛び出した。
バスなんか待ってられない…
制服のまま、自転車に乗って駅へ走った。
改札を通り、柱の裏へ行くと、制服姿の湊太くんが……
会った瞬間抱き合った。
「香澄…ごめんな…黙ってて」
私は湊太くんの顔を見た。
とても悲しそうな顔…
「私も…嫌われたくなくて、家の事言えなかった」
「嫌いになるわけないだろう!
それに、俺は、親父の後継ぐ気ね−から。
だから言う必要ないと思ってた。
俺は自分のやりたい事をみつけて、
俺は俺の道をいくんだ」
それって……
「湊太くんのお父さんは、それを納得しているの?」
湊太くんは俯いた。
「してね−けど…」
「湊太くんのやりたい事って何?」
「まだ…わかんね−」