【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
停学期間が終わり、
クリスマスコンサートの練習の必要がなくなった私は、
いつもの登校時間に戻した。
湊太くんは…当たり前だけど乗ってこない。
あれから電話もメールもない。
私もしなかった。
教室に入るとみんな、
腫れ物にさわるような感じに
変に気を遣ってきた。
いいのに…別に……
帰りももう、途中で帰る必要がなくなった。
いよいよクリスマスコンサートが近くなり、
放課後も練習が始まって、
小百合とも帰れなくなった。
一人で、駅へと歩いていたら、
駅に杏奈が立っていた。
「香澄…お茶…しない?」
杏奈はちょっと気まずそうな顔をしていた。
私たちは駅前のファーストフ−ド店に入った。