【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「資金の事は気にしないでください。
それよりも、
これから、忙しくなりますね。
アルバム制作やリサイタルなど、
たくさんお声がかかっているのでは?」
「いえ…
5位…ですから。
それに、ピアノの演奏よりも、私生活をおもしろおかしく騒がれたので…
なんだか…複雑です」
「そうですか……
では…これからどうされる予定ですか?」
「はい…
ちょっとゆっくり休みたいと思っていて…
ゆっくり休んだら、
何かピアノ関係の仕事を…と思ってます。
私には…ピアノしか取り柄がないので」
「この高校で講師を…てお願いしたのに…」
校長先生が悲しそうな顔をした。
「これ以上、お世話になるのは、心苦しいので…
今度は私自身で、何か、
私にできる事をみつけて、
私の道を、私の力で進んでいけるように
頑張ります」
あはははっとその人は笑った。
「私の弟も同じような事を言って、出ていきましたよ」