【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
ガタン!!
思わず立ち上がってしまったら、
椅子の座面が音を立てて折りたたまれた。
春菜先輩がこっちを見た。
「す…すみません…」
私は銅像に下げるよりも深く頭を下げた。
春菜先輩が私の方に近づいてきて、
私の近くの椅子に座った。
「名前は?」
春菜先輩は優しく微笑みながら聞いてきた。
「2年の龍ヶ平香澄(りゅうがひら かすみ)です」
春菜先輩はニコッと笑った。
「香澄ちゃんは、好きな人いる?」
憧れの先輩に『香澄ちゃん』と呼ばれてうれしくなった。
私も椅子に座った。
「……いません。春菜先輩はいるんですか?」
あ…馴れ馴れしい質問だったかな…
「彼氏がいるの…でも…
学校にばれちゃった」