【完】UNBALANCE/チャラ男とお嬢
「お父さん…私…
結婚したい人がいるの」
お父さんはかなり驚いていた。
「そんな人がいたのか…
どんな人だ?」
「うん…
高校の時に別れた人」
お父さんは何度も瞬きをして、かなり動揺している感じだった。
「社長は娘さんが引き継いだはずだ。
息子さんは…彼は、今何をしているんだ?」
「小さな島で、小学校の先生をしてる。
昨日、会いに行ってきたの。
すごく生き生きしていた。
私、彼と一緒にいたいの。
湊太くんを支えたい。
ずっと好きだった。忘れたことなんかなかった。
湊太くんのおかげで、頑張れた。
私にとって、掛け替えのない人なの」
お父さんはため息をついた。
「やっぱり香澄はお母さんの子だな」